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2010年08月 アーカイブ

日本建築の見るべきところ 3

上段からさらに柾で上った三畳の上々段は、その先に軍配型の窓の付書院を持ち、床表面からの火灯窓を側面に持っています。


この上々段のたたずまいは、対面所の意匠から付書院と火灯窓の意匠を取り出して簡略化したように見えます。


こうした飛雲閣初層をどのように解釈したらいいのでしょう。


角長押、釘隠の六葉、悼縁天井、室の中で柾分だけ高くなった上段、白い小壁などは、書院造の影響を感じさせています。


しかし、他の意匠では、画題や採用した明障子や欄間などで数寄屋風への傾斜をきわどく成し逐げていると見てもいいようです。


次は、神奈川県鎌倉市に現存する、一条恵観山荘。


「近世宮邸の文化」によれば、西賀茂に営まれた一条恵観山荘は、寛永の末から正保三年の間の建立と考えられています。


つまり、正保元年(1644)を前後した頃には、この山荘の意匠の構想は、確立していたのでしょう。


主要部分は、数寄屋と呼ばれた茶室長四畳と書院六畳と六畳に接した棚のある二畳台目の三室で構成されています。

日本建築の見るべきところ 4

山荘の屋敷地は、二万数千坪でした。


ここに訪れた人々や一条恵観側の人々にとっては、休息所または別荘の性格がなければ茶湯、船遊びと他の茶屋での飲酒や連歌、再びの濃茶といった遊興は不可能だったでしょう。


長四畳の茶室と次の六畳の間の南側は、二間つづきの長六畳の縁座敷とその先の濡れ縁になっています。


縁座敷の外側と内側には、腰高障子が一間毎に二枚、合計六枚がそれぞれ用意されています。


この腰高障子の長四畳側の腰は、竹を編んで付けた「竹籠」の意匠です。


そして、縁座敷の突き当りは、横長の下地窓となっています。


つぎに、六畳の間と長四畳の茶室の境は、六畳の間の網代に自然木の樟縁が直角に刺さっていった下に色付きの小壁が下り、両端を面のない角柱で押え四枚の襖が入ります。


襖は、今は白鳥の子張りで引手が「の」の字であり、長四畳側の引手が「月」の字に変化します。


長四畳の床の間は、床柱が丸太で畳床になり、側面の壁に下地窓がとられ、床柱に接して内側に障子の入った竹連子窓があります。


これは、書院造で棚の入る位置の手前側に新しい方法を用意したことになります。


この窓と下地窓は、床の間の上を含んだ西側に突き出した庇の下に入り込むことになります。


そして、連子窓の上の色付小壁の上には、網代に赤松の樟縁を床の間と平行に三本使った天井になります。

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